フリーランスエンジニアとして活動を始めると、どのような働き方をするか考える必要がありますね。その選択肢の一つとして、近年IT業界で注目されているのが「客先常駐」というスタイルです。これはクライアントのオフィスに常駐して作業を行う働き方のことで、雇用契約はないものの、感覚としては企業で働くのに近いかもしれません。チームの一員として開発に携われるため、孤独を感じにくく、会社員に近い安定性を求める方にはフィットしやすいでしょう。一方で、勤務場所や時間が固定されるため、自由度を最優先したい方には向かない側面もあります。

IT業界は慢性的な人手不足という背景もあり、特に特定の言語やフレームワークに精通した専門家、大規模開発の経験者などを求める声は後を絶ちません。そのため、必要な時に必要なスキルを持つ人材を確保する手段として、客先常駐のニーズが高まっています。リモートワークが普及した今でも、セキュリティ要件の厳しいプロジェクトや、システム障害などの際に迅速な対応が求められる現場では、オフィスにエンジニアがいてくれると心強いという事情があるようです。

客先常駐の案件は、開発プロジェクトが佳境に入ったタイミングなど、一時的なリソース不足を補うために募集されることが多い傾向にあります。そのため、様々なプロジェクトに短期間で関わることができ、フリーランスとして多様な経験を積む絶好の機会にもなります。大手企業の開発文化に触れたり、最新技術を実践で学んだりするチャンスも豊富です。もちろん、クライアントのオフィスで働く以上、指揮命令系統や責任の範囲といった契約内容は事前にしっかりと確認しておくことが大切ですが、スキルアップと安定性を両立できる働き方として、検討する価値は十分にあると思います。